どうも、南郷です。
「中長期投資家」に属する人たちは、ほとんど全員が、ここ数日の暴落できつい下げを食らっているのではないでしょうか。
ぼくももちろん、銘柄によっては30%近い評価損を出しています。(最大はエニグモの評価損マイナス28.87%)
うまくいっているときは、人は反省することを忘れがちです。この暴落の最中、今一度、想定株価の算出法を再確認しておくべきだと思いましたので、記事にします。
最新のポートフォリオをご覧ください
これが2016年2月12日現在のポートフォリオです。見事に全銘柄がマイナス圏内ですね。
歴史に「もし」や「たられば」はないとはいいますが、株式投資にもそれは当てはまります。「もしあの銘柄を買っておけば、今頃は億万長者だった」などと、誰しも一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
ぼくだって、「もし、エニグモを1,027円なんて高値ではなくて、せめて想定下限株価の800円で買っておけば、評価損もこんなに膨らんでいなかったのに」と考えたことがないといえば嘘になります。
この「たられば」を通じて、自分の行動を客観的に振り返り、反省し、そして将来の投資行動に活かすというのは、有意義なことだと思うのです。
過去記事「成長株を高すぎない価格で買う」を反省
ぼくが昨年12月に書いた記事で、投資方針「成長株を高すぎない価格で買う」というものがあります。
この記事内で、ぼくは次のように語っています。
で、たとえば、ある株の適正PERが16〜24なら、ゆうゆー投資法の原則でいえば、PER24の株は、「割安ではないから買えない」という判断になるんですね。(例外もあるかもしれませんが)
でも、ぼくなら、これは「買い」と判断するんです。
暴落を経験した今、この記事を読み直すと、「う〜ん、、本当にそうか??」と思ってしまいました。
エニグモやシュッピンに関しては、株式を初回購入後に、業績不振という悪材料が出てしまいました。これは購入時には予想できなかったことですから、反省のしようがありません。ですが、エニグモもシュッピンも、下限株価よりも高い株価で買っており、この部分には反省の余地があるのではないでしょうか。
■シュッピン⇒想定株価1,072円〜1,608円に対し、初回購入株価は1,351円。現在株価は890円
ぼくの想定株価の算出法は簡単です。GMOクリック証券の財務分析ページや四季報で過去数年分の売上高・営業利益・当期純利益を見て、前年に対する成長率を算出します。割り出した成長率から今後2年あるいは3年後の「予想EPS」を割り出し、予想EPSにPERの下限・上限を掛けた数字が、下限株価と上限株価になります。
たとえば、エニグモで説明すると、エニグモの成長率は25%で、予想EPSは40です。適正PERは20〜30(成長率25のプラスマイナス20%の範囲=20〜30)ですから、下限株価は40×20=800円、上限株価は40×30=1,200円ですね。
恥ずかしながら、この想定株価は初回購入後に設定したものです。初回購入した当時、ぼくは明確な想定株価を算出しないまま、肌感覚で株を購入するという「どんぶり勘定」で行動していました。今思えば、ものすごく軽率な行動だったと反省しています。
上記した算出方法は頭の中ではわかっていたものの、明確に数値化する過程が面倒で、「だいたいこのぐらいだろう」とどんぶり勘定で動いてしまったのです。本当に軽率でした。
どんぶり勘定時代の行動は、まさに黒歴史ですが、こうして自分の行動を客観的に反省できるようになったというだけでも、ぼくは当時よりも成長したのではないか、とポジティブに考えています。
数字どおりに動けない理由「人間だもの」
このような明確な数値を算出しておき、その数値どおりに動くことができれば、感情的にどんぶり勘定で動くよりは、被害を最小限にしながらも、ある程度の利益は確保できるのではないでしょうか。
ですが、ぼくは今回の暴落を経験してみて、「数字どおりに動くのはなかなか難しい」と思ったのです。なぜなら、ぼくら人間には感情があり、その感情が邪魔をするからです。
とはいえ、感情を完全無視して投資行動をしようとすると、それでは多大なストレスがかかります。たとえば、魅力的な銘柄を見つけたのに、下限株価よりも1円だけ高いため買うことができず、その後の大きな上昇利益をつかみ損ねたというケースがあったとしましょう。株価はどんどん上昇を続け、上限株価を突破してしまう。「あのとき1円高かったから買わなかったけど、買っておけばよかった、、」と、人間なら誰しもこのような後悔をし、精神的ストレスを感じながら株価上昇を眺めることでしょう。
精神安定剤としての「打診買い」
ぼくは、このような人間的感情とうまく付き合っていくことが、息の長い投資家として幸せになれる方法なのではないか、と思い始めています。
ですから、下限株価付近では、「打診買い」を取り入れてみることにしました。
もし上記のような「魅力的な株を見つけたけど、下限株価よりもわずかに高い」というケースに出会った場合、ここは人間的感情を優先して、「少しだけ打診買いをしてもよい」とするのです。こうすることで、少ない株数とはいえ、株価の上昇を楽しく眺めることができます。逆に、株価が下がれば、つまり下限株価以下まで下がるという意味ですから、積極的にナンピンすればいいだけの話です。
とはいえ、現時点の現金比率はもうすでに8%台と低いため、打診買いをする機会も今後しばらくはないとは思いますが(苦笑)
今回の記事は以上です。