どうも、南郷です。
今週はおもしろい取り組みをやっています。自分の過去の失敗取引のチャートを見て、「どうやったら損失を利益にできただろうか?」などと考えながら思考訓練しています。
そこでこの記事では、TOKYO BASEの取引を題材に、チャート分析をします。
(週間成績発表はおまけみたいなものです。笑)
忘れもしない、マイナス40.7%の特大損切り銘柄 TOKYO BASE
※今週は売買なし
今週もチャーティストになるための修行に励んでいたので、もちろん売買してません。
冒頭にも書いたように、今週は過去の失敗取引の振り返りをしていました。ここでいう失敗取引とは、プロセスはどうあれ損切りで終わった取引のことです。ぼくの取引履歴をご覧いただくと、運よくアベノミクス最後の上昇に乗れたおかげで、利確で終われた取引のほうが多いです。これは本当にラッキーでした。
アベノミクスの上昇期といえど、もちろん損切りに終わった取引もあり、ぼくはむしろこの失敗取引を分析し、同じ過ちを犯さないようにすることが大切だと思っています。過去の失敗を分析してこそ、株式投資家として長く生き残り、生涯成績をプラスで終えられる道がひらけると確信しています。
過去最大のマイナスは、パーセンテージで考えるとウェッジHDのマイナス44.3%なのですが、こちらは今回は置いておいて、TOKYO BASEについて触れようと思います。
今の自分なら絶対に買わないようなチャートで買っていた
取引履歴によると、ぼくがTOKYO BASEを新規購入した日は2018年1月12日でした。そして2018年4月24日に100株追加購入(ナンピン)、2018年7月2日に全株を損切りしています。新規購入した際のブログ記事は以下です。
※新規購入した株数は100株でしたが、その直後の2018年3月に1:3の株式分割が実施されています。現在の株価で300株新規購入したのと同じなので、チャート画像には300株と表記しています。
まず、日足チャートを見てみましょう。(画像クリックで拡大)
ぼくはこのチャートを見て、「よくこんなギャンブルみたいな取引してて生き残ってこれたな、お前」と自分にツッコミを入れました。こんなに危ない取引をしていて、3年間で300万円近くの利益(500万円元手なのでプラス60%の利益)を出せたので、本当に運がよかったとしか思えません。
まず、新規購入したタイミングが最悪です。大陰線の終値付近で買っています。大陰線の始値で買ったのなら仕方ないですが、よくもまぁ大陰線の終値で特攻したな、と。これではただの蛮勇です。この日は場中に3Qの決算発表があって、一時ストップ安まで売られた日でした。そこに「千載一遇のチャンス」とか言って買い向かったのが、当時のぼくです。
ぼくには順風満帆な発表に見えたのですが、市場はネガティブに反応し、一時ストップ安付近まで売られたようです。(本日高値5,670円から一気に4,525円まで下げた)
前々から監視していたのですが、昨年10月に値下がりしたときには現金余力とNISA枠がなかったりと、タイミングが合わず買えなかったTOKYO BASE。千載一遇のチャンスと思い、今年一発目のNISA枠を使い100株購入しました。
※当時のブログより引用
いやいや、、「順風満帆な発表」に見えたかもしれんけど、チャートは全然順風満帆じゃないよ、と。百歩譲って、もしエントリーするならこれは空売りを入れるべきところだよ、と言ってやりたい。ちなみにここで空売りを入れるのもアリかもしれませんが、もっと勝率が高いであろうエントリーポイントは数日後に来るとみて、ここでは静観するのが正解だと思います。大陰線ではありますが、前回安値かつ60日線に支えられた形で終わっているので、翌日の足が陽線で切り返される可能性も十分にあるので。空売りするなら、この大陰線を見過ごして、2週間ほどヨコヨコしたあとの再度の5日線下抜けで売ったほうがより安全です。
このチャートだと、大陰線のあとの1月末~2月頭にかけての連続陰線で明らかに弱いとわかるので、今のぼくならそのあたりの陰線で空売りを打診エントリー、下抜けした陽線で追加の空売りを入れると思います。ただ、下抜けしたといっても陽線なので、空売りを追加するのと同時にヘッジの買いも少しだけ入れるかもしれません。空売り300株に対してヘッジの買い100株、みたいな感じですね。もしこの陽線のあと上がるとしても前回高値まで届かず失速するだろうから、弱ったらそこでヘッジの買いを切ると同時に売り玉を追加、次の暴落を取っていくという、完全なる下目線で相場を見ていくでしょう。当時のぼくとは真逆の思考ですね。
いつだって自分の判断は二の次であり、チャートが正しいことを謙虚に認める
さて当時の取引に話を戻します。日足チャートをもう一度見てみましょう。
ぼくはあろうことか、この明確な下降トレンド真っただ中の銘柄に、追加の買いを入れてしまっています。これも窓をあけて暴落したあとの陰線で買っています。安値切り上げも何もない状況で、ただ「安くなったから」と感情的で不用意なナンピン。ほんと恥ずかしい。よくこんな恥ずかしい取引をブログで晒してたな、と。株の達人が見たら、「この南郷ってヤツはものすごい天才なのか、果てしなくド素人でお金をドブに捨てたいだけの人なのか、どっちかだな」と言うでしょう。もちろん、後者ですね。
アベノミクスでのラッキーパンチというのは、それほどまでにド素人だった自分を勘違いさせていたんです。ですが重要なのは、ぼくはその勘違いに気づくことができた。資金をすべて溶かす前に、なんとかギリギリで踏みとどまって軌道修正することができた、ということです。
このナンピンは最悪です。下手なナンピン素寒貧という格言がありますが、まさにその通りです。
この局面で買うなんてただの丁半バクチですが、それでももし買うなら、1,000円をサポート帯としてダブルボトムを形成し、5日線を上抜きした陽線で買うべきでしょう。ぼくがナンピンした足の翌々日の陽線あるいはその次の陽線ですね。ただ、その買いエントリーでも、間違っても「いつまでも上がり続ける」なんて思わず「下降トレンド中の一時的な戻しなのだから、上げても1,100円か1,200円までがいいところ」と考え、あやしい足が出たらすぐに逃げるという気持ちで入ります。実際、すぐに下げが再開し、結局この株は600円を割り込むまで下げ続けました。
cisさんも最初はファンダ投資家で大損した
株式投資家界隈でcisさんを知らない人はいないとは思いますが、cisさんは資産200億円以上の日本人投資家です。彼の書いた本を最近読んだのですが、そこに以下のようなことが書いてありました。
「自分も株式投資を始めたばかりの頃は決算などを重視するファンダメンタル投資家で、元手1,000万円を約100万円まで減らした。しかし、その後ファンダを捨ててからは勝てるようになった」
cisさんには悪いのですが、本は一度だけ読んですぐに売ってしまったので内容はうろ覚えですが、たしか上記のようなことが書いてあったと思います。
ぼくはこれを読んで、資産額の桁が違いすぎて恐れ多いのですが「あ、cisさんも自分と同じような経緯で今の投資スタイルにたどり着いたんだな」と思い、自分の選択が少なくとも間違った方向には行っていないな、と安心できました。まだ読んでないかたは読んだほうがいいですよ。麻雀とかの話題もあっておもしろいです。
昔は見えなかったものが今は見える
この記事では昔の自分をひたすらディスってきましたが、ぼくはこの記事は当ブログと今後の投資人生において、大きなターニングポイントとなるものだと思っています。その決意表明としての第一弾というわけです。
当時のぼくは「これが正しい」と考えて売買していたし、その結果として500万円の元手を800万円まで増やすことができたわけだし、当時の自分の勇気と行動力には感謝しています。そして、その道を示してくれたゆうゆーさんという存在も、ぼくの投資人生を語るうえで欠くことのできない存在です。また、値動きによる損切りという、これまでまったく意識していなかった概念を教えてくれたウィリアム・J・オニールとの出会いも大きなきっかけでした。
株式投資において、「正しい人」にぼくはなりたい
ぼくは以前は当ブログ上でも「結果よりもプロセスが大事」みたいなことを言ってきたかもしれません。でも、最近は考えが変わりました。
株式投資では、誰がなんと言おうと結果がすべてです。株式投資において「結果」とは、トータルで見たときに元手を減らさず増やすことであり、長い投資人生をプラスで終えること、あるいは目標金額を達成したら投資から手を引き、勝ち逃げすることです。
手法はどうでもよくて、利益を残せる人が正しく、利益を残せない人は間違っています。株式投資はお金を減らすゲームではありません。ビジネスモデルや業績予想を妄信し、大切な資金を減らし塩漬けにして耐えるゲームではありません。信念とか妄想とか、どうでもいいんです。結果、結果、結果。結果を出すから正しい。
「もっともなことを言ったり書いたりしてるのに、投資の結果はマイナスです」ではそんな人に発言権はありませんし、こと株式投資の世界では人権を持ちません。ああだこうだ述べる前に、結果を示せと。
そう、これ誰に言ってるかというと、ぼく自身に言ってるんですね。ぼくは株式投資というゲームにおいて勝者になりたいし、そのために正しい選択をしていきたいし、もし少し前のぼくと同じように自分の投資手法に迷っている人がいたら、そんな人たちに道を示すような存在になりたいと思っています。かつて、ぼくにとってゆうゆーさんがそうであったように、です。
ぼくの株式投資家としての「なんちゃってファンダメンタリストからチャーティストへの転身」の物語、今後も不定期でお届けしていきますね。
それではまた来週。
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