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週間成績発表【第175週】7201日産自動車チャート分析。ゴーン逮捕の数日前からチャートは予言していた

どうも、南郷です。今週も週間成績発表という名の「株コラム」の時間がやってまいりました。

今回の記事では、7201日産自動車のチャート分析をします。昨年2018年11月のカルロス・ゴーン逮捕報道で株価が暴落し、空売り大好きトレーダーたちの注目を集めたであろう銘柄ですね。

また今回のチャート分析では、「もしゴーン逮捕報道当時、南郷が現在のチャートリーディング能力をすでに会得していて、実際にトレードしていたらどうなっていたか?」という視点でも語っていきます。

チャートはすべてを予言していた、、、インサイダー取引の存在を疑ってしまいます

weekly20190412

※今週は売買なし

さてさっそく本題に入りますので、まずは下記画像を見てください。7201日産自動車の日足チャートです。画像はクリックで拡大できます。

移動平均線の設定はいつもどおり以下のようになっております。

  • オレンジ⇒5日移動平均線
  • 水色⇒20日移動平均線
  • 緑⇒60日移動平均線

また、黒色で記入してあるのは「もしぼくが現在のチャート分析力でトレードするならどうするか?」という説明です。

7201 日産自動車 日足
7201 日産自動車 日足

まずは画像中央、赤と青のラインで示した部分に注目してほしいのですが、ゴーン逮捕報道は2018年11月19日の月曜日の夜、つまり株式市場の引け後に速報がありました。当時のニュース記事をネットでいくつか確認したところ、19日の16時~17時頃に羽田空港に着陸したゴーン容疑者を、待ち構えていた東京地検特捜部がその場で確保したようです。なので、19日の株式市場の場中に特捜部の動きを知る一般人はいるはずがないし、ゴーンが逮捕されることも月曜日の場中時点では知る人はいなかったはずですね。

では、チャートを再度よく見てください。

7201 日産自動車 日足
7201 日産自動車 日足

逮捕報道が夜にあった19日月曜日。その日の日足は十字線となっています。十字線というのは、始値と終値が同じ価格で終わったローソク足のことで、一般的な解説では「上下どちらに動くか迷っているような足」だとか「トレンドが一旦止まる予兆」だとか言われています。トレンドが止まる予兆というのは、たとえばそれまで数日間陰線で下げ続けていたところに十字線が出ると、そこで下げ止まって上げに転じることが多いという意味です。

チャート分析ではチャート上のさまざまな要素を考慮する必要があるので、日足ローソク足1本だけで相場を語るのはほとんど無意味なのですが、ゴーン逮捕報道の数時間前に確定した日足の十字線だけ見てみると、上ヒゲのほうが長いので「売りか買いか、この足だけで判断しろ」と言われれば、「どちらかというなら売り」と答えるのが妥当なところでしょう。

ではたとえば19日の14時50分に、この十字線で迷いながらも空売りを入れていたらどうなっていたでしょうか。翌日には5%の暴落が発生したので、もし100万円分空売りしていれば、5万円が利益として得られたわけですね。1,000万円空売りしていれば1日で50万円の利益です。捕らぬ狸の皮算用、楽しいですね。

ところでこのチャートを見たとき、ぼくは「インサイダー取引って、取り締まられてはいるものの、じつは存在してるんじゃないの?」と思わずにはいられませんでした。なぜかというと、ゴーン逮捕報道の日の数日前から、チャートは下げの形になっているからです。チャートを再掲します。

7201 日産自動車 日足
7201 日産自動車 日足

19日の十字線の4日前の陰線に注目してください。この陰線は、緑の60日線を踏んでおり、またすべての移動平均線の下にある陰線、かつ、9日間BOXが続いていた価格帯を下抜けした重要な足です。生粋のチャーティストなら外部要因などは一切考慮しませんが、ぼくはオカルト的な話も嫌いではないので、あえて今回は外部要因の話もしてみます。そう、この重要な陰線の裏では「ゴーンが数日後に逮捕されて日産株が暴落するかもしれない」という情報、まさにインサイダー情報を知っている人が一斉に売却して逃げたから、こういった重要なシグナルとなる陰線が発生したのではないか?と考えることはできないでしょうか。

※下記の記事によると、特捜部と日産の外国人執行役員らとの司法取引協議が2018年10月からおこなわれていたようです。司法取引というぐらいですから、きっと上層部の社員しか知らされていない機密事項でしょう。しかし、チャートでは硬そうに見えた1,020円の価格帯を10月に下抜けしています。これは果たして偶然でしょうか、、、?
⇒昨年10月から協議=ゴーン被告めぐる司法取引-成立後、数週間で逮捕・東京地検
一応リンク切れを考慮して記事のスクショも貼っておきます。
jiji

こういった憶測をチャートリーディングに持ち込むべきでないことは承知していますが、ブログのネタや読み物としてはおもしろいですよね。チャートを大量に見て修行していると、こういったインサイダー取引を疑わせるような値動き、あるいは地震やテロなど、まるで事前にそれが起こることを予言しているかのような値動きを見つけることがよくあります。たとえばニューヨーク同時多発テロ直前のダウ平均は下げの形になっているし、東日本大震災直前の東京電力のチャートも下げの形になっているのです。企業の不祥事による暴落ならインサイダー取引を疑えばいいだけですが、テロや地震を事前に予測できる人なんているのでしょうか?フリーメイソン?陰謀論?宇宙人?未来人?朝比奈みくる?本当に不思議ですよね。

「ただの偶然だろ。あほくさ」と思う人もいるでしょう。ぼくもほんの半年前までは「チャートなんてただのオカルトだろ。こんなものを頼りに売買するなんてありえない」と思っていた側の人間だったので、その気持ちはわかります。ですが、事実なんだから仕方ありません。すべての暴落を予見することはできないが、ほとんどの暴落は予見できる。それがチャートの力なのだと思います。ただ、その予見できた暴落の直前に空売りを入れられる自信はまだぼくにはありません。知識として知っていることと技術として身についていることはまったく別物ですから。つまり練習が必要ということです。ぼくは今、その知識を練習の積み重ねで技術に変えようとしている段階です。

さて日産自動車に話を戻すためにチャートを再掲しましょう。

7201 日産自動車 日足
7201 日産自動車 日足

もしぼくが現時点のチャート分析力で当時日産自動車を取引をしていたとしたら?という目線でチャートを見ていきます。

まず「(1)空売り打診エントリー」と書いてある陰線で打診エントリーをします。次の日の陽線で一旦損切りしますが、その翌々日の陰線で再度空売り打診エントリーです。そしてエックスデーである月曜日を空売り保有した状態で迎えます。この日の足が陰線なら空売りを追加したいところですが、十字線で下げ止まりのようにも見えるので、追加はせずに様子見をします。すると翌日火曜日の朝に暴落しているのを見て、寄り付きかそれに近い時間帯(9時半とか)で利確すると思います。なぜ火曜日の寄り付きで利確するかというと、こういった不祥事系報道での暴落というのは、報道が夜にあれば翌日は窓あけで下がるけれど、窓あけ暴落した当日やその翌日は大陽線が立ち、下げを一気に全戻し(または半値戻し)するケースも多いからです。なので、そういった戻しを考慮し、突発的に手に入った利益は欲張らず謙虚に確定しておく、ということでぼくは20日火曜日の寄り付きで利確すると思います。多少様子を見たとしても、20日の引けでは絶対に利確しているでしょう。ただこれが「ゴーン会長逮捕!」みたいな大々的なニュースではなく、材料も出ていなくて原因がよくわからないような暴落であれば、あと2~3日ぐらいは保有してみるのもおもしろいでしょう。

実際、暴落のその日から9営業日かけて窓埋めし、下げを全戻ししました。ただ、全戻ししたといっても、まだ下げトレンドであり、目線は下げで見ていきます。もし買うなら、この戻しが失速せず1,050円ぐらいまで上げて、そのあとの下げが1,020円の価格帯を割らずに再度上げ始めることができたのを確認してから初めて買う、ぐらいですかね。その場合でも1,100円付近で再度失速して暴落するでしょうけどね、、、

「(11)利確」の足まで全部解説すると超長文になってしまうので割愛しますが、あとはチャート画像を見てもらえれば、ぼくの売買ロジックがほとんど理解してもらえるかと思います。

※チャート画像の中に、茶色の四角形で「価格抵抗帯」と書いてありますが、これがけっこう重要で、いわゆる「レジサポ転換」が起きているかどうか、そこを見て空売りをエントリーしていく、という感じです。レジサポ転換はググってもらえればわかりますが、簡単にいうと、「以前は下値支持帯となっていたのが、今は上値抵抗帯になっていること」ですね。なので厳密にいうとぼくの作った画像では「価格抵抗帯」と「価格支持帯」と書き分けるべきだったかもしれませんが、いろいろと面倒なので「価格抵抗帯」で今回は統一しましたことをご了承ください。わかりやすくいうと、その価格付近には買い勢力や売り勢力がたくさん潜んでいますよ、その価格になったら売買しようと待ち構えている投資家がたくさんいますよ、という意味です。漫画「キングダム」の戦場でたとえるなら砦(とりで)や要塞をイメージしてください。砦って、味方として保有しているうちは心強い拠点ですが、いざ敵に占領されてしまうと、今度は敵にとっての重要な拠点となったりしますよね。そういった昔の戦争で起きたようなことが、チャート上では日常的に起こっています。映画「キングダム」、近日公開です。

2019年4月以降の日産自動車の値動きイメージ

最後に、7201日産自動車の2019年4月12日金曜日現在時点での、今後の値動きをイメージしてみます。3か月後ぐらいに答え合わせしましょうか。ところでこのチャート画像は昨夜スクショしたので本日金曜日の日足が表示されていませんが、本日の足は横並び陰線となっています。

7201 日産自動車 日足
7201 日産自動車 日足

画像右端に赤色クレヨンで値動きの予想を描いています。3月、4月と三角持ち合いが続いており、そろそろ上か下のどちらかにブレイクしていくのではないでしょうか。昨年末に暴落して840円付近で反発し、そこから強い上昇トレンドを形成してきました。今年2019年に入り、1月と2月は右肩上がりに上昇し、2月末に970円付近の価格抵抗帯でレジスタンスされ落ちるも、910円付近の価格帯でサポートされ、再度反転上昇。しかしまたもや960円でレジスタンスされ失速、その下落もまた910円付近で止められ反発上昇、といった感じで三角持ち合いが続いて4月現在にいたる、、、という感じですね。

さてぼくは空売り主体での手法を構築しているところではありますが、今後の日産自動車、もし今から見ていくなら買い目線で、今後3か月以内に1,000円か1,100円ぐらいまでは上がると思います。

ここからさらに下がる可能性は低いでしょう。なぜなら、840円から970円まで、たしかに年末から2か月間は右肩上がりに上げてはきたものの、その上昇幅はわずか15%程度だからです。言い換えると、まだそんなに上げてないので下げエネルギーが溜まってないから暴落はない、ということです。

山ほどチャートを見て暴落パターンを研究しているのですが、2か月で15%というのは、暴騰でもなんでもない普通の上げです。たくさんの過去チャートを見てきた感じでは、1か月や2か月で30%~50%以上、ほとんど押し(下落)もなく上げ続けてきたあとに暴落は起きやすいです。しかも日産自動車は2月末に一旦の天井をつけたあと、50円ほど下落していますよね。130円の上げ幅に対して50円の下落ですから、約38%の下げです。(この38%という数字はフィボナッチにおける重要な数字です。押しが完了した、つまり今回溜まったぶんの下げエネルギーは使い果たしたという意味だとぼくは解釈しています)

2か月で15%しか上昇してないのに、その上げ幅の38%も下げたというのは、けっこう大きな下げです。利確したい人はその下げでほとんど利確し終わったと読めます。つまり、今後は上がるしかない、そういう読みです。ただ、底練りの形としては一気に上がりすぎている印象があるので、暴落する可能性も十分にあると思います。

ここで気づいた人もいるでしょう。「今後は上がるしかないけど暴落する可能性も十分にあるって、めちゃくちゃ矛盾してるやんけ!」と。でも、チャートリーディングをやりまくっていると、こういう分析にならざるをえないのです。60%ぐらいの確率で上に行くだろうけど、下に行くシナリオもつねに用意しておかねばならない。どんなに分析に自信がある場面でも、こんな心境なのです。逆に、「今後は絶対に上がり続けるから、この株を買って寝ておけばよい」などと言う人のほうがあやしくないですか?そう信じてビットコインを200万円で買った人、リップルを300円で買った人、どうなりましたか?

7201 日産自動車 日足
7201 日産自動車 日足

というわけで売り目線でも日産自動車のチャートを見ておきましょう。ここ1か月は上値がじりじり切り下がる三角持ち合いであり、しかも右肩下がりのトリプルトップのような形にもなっています。なのでここから暴落する可能性は低いと読みつつも、もし暴落した場合のシナリオもイメージしておくべきでしょう。もしここから下がるなら、910円の価格帯を下にブレイクしたあと、一旦は反発上昇があるでしょう。そしてその反発上昇が910円の価格抵抗帯で止められ失速し再度下落するのであれば、新安値を目指して下げていくと思いますので、三角持ち合い下ブレイクして910円のレジサポ転換を確認してから、再度の5日線下抜けで空売りエントリーする、という感じですね。

※ここでいう「新安値」は、直近2年間程度での最安値を指しています。日産自動車の史上最安値は2009年につけた261円ですので、まだまだ下に行く可能性もあります。

値動きはなんでもありですから、読みが外れて逆に行くこともあります。そういった場合には、迅速に損切りして今度は逆目線でエントリーしていくだけです。月足を見ると弱いので、一旦は上げと読みつつも、やはり下げるかもしれませんね。まぁ、どっちでもいいです。勝てるトレーダーなら、売りでも買いでも複数のシナリオを用意しておき、どのシナリオになったときにも淡々とエントリーと損切りを繰り返して利益を積み重ねていくでしょう。野球のバッティングでたとえるなら、インコースのストレートを予想していたところにアウトコースのフォークがくると、たいていのバッターは空振りしますが、イチロー級になるとファールで逃げて次のチャンスを待つ、みたいなことができます。トレードにも「ドテン」という言葉がありますが、ドテンが難しいのは想定外の値動きになったときのシナリオを事前に用意していないからです。あらゆるシナリオを事前に用意してイメージしておけば、予想と真逆にきたボールにも対処できる、と。

※ドテンとは?⇒売り買いの目線を瞬時に切り替えて逆の注文を入れること。たとえば自信をもって空売りを入れたがすぐに反転上昇したので損切り、それと同時に買いを入れその後の上昇を利益として取っていくことを「ドテンロング」などといいます。言葉でいうのは簡単ですが、実際その場面になってみると、自分の考えが間違っていたことを即座に認めて逆の注文をするので心理的負荷が大きく、素人には難しいといわれています。勝ち組トレーダーが適切にドテンできるのはその場で即座に判断する神のような能力があるからではなくて、最初に空売りを入れるときにあらかじめ真逆に動いたときのシナリオも複数個用意しておくからできるのです。おそらく素人からすれば、ドテンロングの判断を即座にできるなんてすごい!という感想でしょうが、勝ち組トレーダーからすれば「空売りを入れるけど上がったらドテンする、しかしこういう上がり方の場合は損切りして静観しドテンはしない」などと、真逆に動いたときのシナリオも複数個用意していて、なんでもかんでもドテンするわけではないと思います。この「想定と真逆の値動きになったときの複数個のシナリオ」が事前に用意できていないのに不用意にドテンすると、いわゆる往復ビンタとなり、売りでも損切り、買いでも損切り、というふうになるのです。

株の短期売買では値動きの予想を当てることが重要なのではない

ここでいう「株の短期売買」とは、買い玉でも売り玉でも、保有日数が1日~数日、長くても2週間程度という意味合いです。これがぼくが現在構築中の新しい売買手法で想定しているタイムフレームです。なので5分足や1時間足はほとんど無視し、日足・週足・月足を見てトレードしていく感じですね。

上がるにせよ下がるにせよ、株の短期売買では値動きの予想を当てることが重要なのではなくて、動く波の方向や波の縦横の幅をざっくりとでいいからイメージして、その波に乗るべくエントリーと損切りを繰り返すだけの単純作業を淡々と繰り返すことが重要です。日々の値動きに期待や妄想や失望などは一切なく、統計的に証明された優位性のあるロジックを信じて、トレードの試行回数を積み重ねていくだけ。現在のぼくはそういった認識で株の短期売買を定義づけています。半年とか1年以上ホールドする長期投資に関しては知りません(笑) 明日の値動きも読めないのに、半年先までの値動きが読めるなんて、おかしな話だと思います。

値動きについて、ぼくは以前は真逆の考え方をしていました。たしか、以下のように語っていたと思います。

「今日明日の値動きなんて読めるわけがないんだから、気にしていてもしょうがない。でも企業は成長しているし、長期的には株価は上がるだろうから、信念をもって長期ホールドしてれば勝てる」みたいな感じです。これって信念というか、期待であり祈りですよ。トレードでは期待したり祈ったりした時点で終わり、破滅しかありません。過去に祈って含み損から生還できた人もいるかもしれませんが、そのやり方ではいつか退場しますよ。ぼくもお祈りホールドで生還した人間なので、一歩間違えば危なかったです。昔のぼくは「信用取引を使ってないからどんなに下がっても退場はありえない」とか言ってましたが、万年含み損の株式投資家なんて、やっていて楽しくないですよね。それが配当金受領だけを目的とした「塩漬け投資法」ならぼくから言えることはもう何もありませんが、、、

チャートリーディングの練習をすればするほど、近視眼的というか、目先の値動きだけを見ていこう、という思考になっていってます。半年先の株価はわからないけれど、むこう数日間の値動きだけ予想できれば長期的には勝てる、という感覚です。むしろ半年先なんて見ようとせず、今は目の前の値動きだけに集中したほうがいい、という直感があります。

というわけで今回も長文になりましたが、7201日産自動車のチャート分析でした。3か月後に答え合わせするためにもう一度書いておきましょう。

7201日産自動車の株価は、今後3か月で60%の確率で1,000円~1,100円ぐらいまで上がる。または40%の確率で850円か700円付近まで下落するでしょう。そしてその際の値動きは下図の赤色クレヨンのような動きとなるでしょう。

7201 日産自動車 日足
7201 日産自動車 日足

それではまた来週。

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