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「空売りの損失は青天井」の真偽は?1年で100倍に暴騰した3765ガンホーのチャートを検証。信用取引で一発退場する人の共通点とは?

どうも、南郷です。

金曜日の週間成績発表をしなかったのはじつに3年半ぶりなので、なんだか忘れ物をしているようで落ち着きませんね。

さて今回の記事では、しばしば言われる「空売りの損失は青天井」という言葉について、1年で100倍になった銘柄3765ガンホーのチャートを見ながら検証します。この記事を読めば「空売りは怖くないものなんだ」ということをわかってもらえると思います。

 

2012年5月~2013年5月の1年間で株価は16円から1600円に

それでは、空前絶後の暴騰を演じた3765ガンホーのチャートを見てみましょう。

3765ガンホー 日足 2012年5月~2013年5月
3765ガンホー 日足 2012年5月~2013年5月

ファンダ要因だと、おそらく「パズドラのヒットで云々」とか書かれるんでしょう。2012年5月に16円だった株価はその後わずか1年で100倍になりました。100万円分買ってた人は1年で億り人になってしまったと。うらやましい話ですね。

では、その上昇開始地点のチャートを拡大して見てみましょう。

3765ガンホー 日足 2012年9月~10月
3765ガンホー 日足 2012年9月~10月

細かく見ると、8月の終わり頃から上昇を始め、9月に本格上昇がスタートした感じです。8月から9月の1か月ですでに20円⇒40円と2倍になってますね。1か月で株価2倍、、、これもすさまじい上昇ですね。

1枚目のチャートに戻りますが、10月は横ばい、11月に50円を上抜けしてからはまさに破竹の勢い。年をまたいで1月に150円、2月に300円、4月に450円、そして5月には1,600円の天井をつけました。最後の1か月、4月から5月の上昇幅がものすごいですね。1か月で株価が4倍になっています。

 

1,600円の天井をつけたあとはどうなったかというと、次のチャートのようになりました。

3765ガンホー 日足 1,600円から暴落
3765ガンホー 日足 1,600円から暴落

1,000円~1,300円のBOXを3か月ほど続けたあとで下降トレンドへ移行。1,000円をなんとかキープしていた株価は1か月で500円まで下がり、その後は700円前後をウロウロしました。ちなみにガンホーの株価はそれから一度も1,000円を超えられず、2019年4月現在360円前後です。

 

 

ガンホーが40円のときに空売りしていたら、、、

2枚目のチャートを再掲します。

3765ガンホー 日足 2012年9月~10月
3765ガンホー 日足 2012年9月~10月

このとき、1か月で株価が2倍になっており、「上がりすぎ」とか「買われすぎ」という印象を受ける人もいるでしょう。上昇率だけ見ると、ぼくも上がりすぎだと思います。ただ、この銘柄は長い間底値圏で横ばいを続けており、十分な底練り期間を経て上昇トレンド入りしていますよね。そして上昇開始からまだ1か月。上昇トレンドとしてはまだ若いです。

この「若い」というのは「まだ上昇が始まったばかりなので、あと数か月は上がり続ける可能性がある」という意味です。ぼくがよく使う言葉でいうと、「まだ下げエネルギーが溜まっていない」ということと同義です。それに長い底練りのあとの上昇ですから、「上げエネルギーをまだ使い切っていない」ともいえるでしょう。

ただ、空売りが大好きな人は40円になったところで打診売りしてみてもいいかもしれません。実際このあと40円から32円までは下げているので、利益率でいうと20%は取れます。ぼくが想定している1回のトレードでの想定利益率は10%程度なので、20%取れれば上出来でしょう。ですが、このような若い上昇のときに空売りをするなら、直後に暴騰継続することも必ず想定しておかなくてはいけません。たとえば損切りラインを明確に決めておくとか、いくら上がったところで売り玉を追加するとか、買い玉を入れて様子を見るとか、なんらかの操作をする必要があります。

「すでに信用建て余力を使い切っているので身動きが取れない」というのは愚の骨頂です。マーケットを戦場にたとえるなら、信用建て余力は銃の残り弾数であり、一気に打ち尽くしてしまっては、今後現れるかもしれない新たな敵と戦うことさえできなくなってしまいます。マーケットは一発勝負のギャンブルをする場所ではありませんし、蛮勇をやって度胸試しをする場所でもありません。

空売りを入れた直後に連続ストップ高になったとしても大丈夫。ここから株価が3倍になっても大丈夫。そんな心の余裕をもてるようプランを立てておかなくてはいけませんし、建て余力も十分に残しておくことを心掛けるのです。こういう心構えで空売りをすれば、よほどの想定外が発生しない限り、一度の取引で借金を背負うほど大損するようなことにはまずなりません。

 

 

信用取引で一発退場する人の共通点

ぼくが現在構想中の新手法では、空売り、つまり信用取引を多用するつもりです。なので、リスク面の対策として、ネットで「信用取引で一発退場になった投資家」の事例を調べて失敗原因を分析しています。彼らの失敗から学び、自分のルールとして取り入れようとしているポイントは以下です。

  • どんなに自信のある場面でも、信用建て余力は十分に残しておく
  • 利益方向と損失方向、両方向へのとてつもなく大きな値動きを想定しておく
  • 若い上昇トレンドで空売りしない
  • シナリオどおりの利確とシナリオどおりの損切りをする
  • 無計画なナンピンはしない
  • ファンダ要因に期待せず、チャートだけを信じる

現状ではこんなところでしょうか。

 

あとは実戦の中から学び、身につけていくことになるでしょう。

 

 

「空売りの損失は青天井」は心配無用

最後に今回の記事をまとめますが、「空売りの損失は青天井」という言葉は、よっぽどの愚行をやらない限り、まず心配しなくて大丈夫だと思います。

たしかに理論上は、空売りの損失は青天井です。ガンホーの株価が16円のときに16万円分空売りすると、1年後には約1,600万円の含み損が出る計算になりますし。でも、普通はそんなに上がるまで待たず、途中で損切りしますよね?いくら寄らずのストップ高が続いたとしても、それも事前に想定して建て余力を残しておけば対処できるはずです。(制度信用の場合、空売りは6か月以内に返済買いしなければならないので、実際は1年も空売り継続できません)

そしてチャートリーディングができれば、これからまさに爆上げするかもしれない場面で、全力で空売りを入れるようなギャンブルはしないはずです。(ちなみに、ガンホーの株価が40円とか50円になった2012年8月~10月あたりが、まさにこれから爆上げするチャートの形状です。長い底練りからの上昇初動の典型的パターンです)

それではまた。

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